新湊ごめんなさい

by 雪幸彦

各県の質問を始めたばかりのとき、富山県では、質問の1番として「シ○ミ○○にあてはまる富山県にふさわしい言葉はありませんか。ヒントでこじつけられるものでもOKです。」という質問をしました。
 さっそく2人の方から「新湊」という回答が寄せられました。一般のクロスワードでは、あまり有名でない固有名詞を組み込むことは避けたいことですが、「日本全国クロスワード」では、地元の固有名詞は大歓迎です。しかし私は、この回答をもらって困ってしまいました。それは、2文字目が「ン」だからといったことではありません。

実は、このときには、盤面の形が現在のような県の形になっているということは、秘密にしていました。地元に関係あることでも、食べ物や動植物、特産品やお祭りのようなものだと、入れる位置は気になりません。でも、山や川などは違った場所に入れると、かなりの違和感があります。「立山」は山の方にあってほしいし、「蜃気楼」は富山湾の方に入れたいのです。「シ○ミ○○」を入れる予定の場所は、富山県の南西部で、海から離れた場所でした。送られてきたヒントも、港に関わることで、海岸部にないと苦しい感じが否めませんでした。

そんなことで困っているときに、別の方から現在の盤面に入っている言葉とヒントが送られてきました。そこで、新湊にはたいへん申し訳なかったので、そちらを採用させていただくことにしました。

現在、仕上がった盤面には、こうした苦労が各所に秘められているのです。もちろん、ちょっとずれた場所に入っている言葉も少なくありません。それは、送られてきた回答をなるべく生かしたいと思ったり、できるだけたくさん地元に関わる言葉をいれたいと苦闘した結果です。クロスワードは楽しんでいただくことが一番ですが、ときには作り手の苦労も思いやっていただければ幸いです。

2002年7月23日