日本全国困ったちゃん

by 光圀こうさく

今回のクロス、県別になっていて各県にそれぞれ担当がいるわけですが、最初にいくつかの取り決めがありました。

そのうちの一つ。
「よその県の言葉を使うのはやめよう」

つまり、他の県を連想させる言葉を盤面に入れるのは避けよう、ということです。

例えば沖縄県に「ユキグニ」が入っていたり。北海道を解いたら「シーサー」という言葉が現われたり。こういうのはその県の雰囲気をこわしてしまいますよね。

和歌山に「リンゴ」、鹿児島に「ジヤガイモ」、長野に「カツオ」、秋田に「ハイビスカス」、群馬に「カイスイヨク」。本当にないのかどうかは別として、やっぱりその県にはそぐわないと思いませんか。

広島に「チユウニチドラゴンズ」、愛知に「ハンシンタイガース」、静岡に「コンサドーレ」、北海道に「グランパス」、長崎に「ゲンバクドーム」、東京に「デイズニーランド」、こんな言葉を入れたらいたずらに県民感情を逆なでしてしまいます。

キーワードだけじゃありません。地名だってそうです。もちろんその県の地名を入れるのはかまわないんですが、よその県の地名を入れるのは、これまたタブー。

福島に「ハカタ」なんて入ってたら、「キサマ福岡と間違えてるだろうっ」と激しく怒られてしまうに違いありません。島根に「ヨナゴ」と入れたら「また鳥取と間違えられた…」と静かにしずかに泣き出してしまうかもしれません。

また、クロスを作ったことのある人ならご存知かもしれませんが、「イヨ」という言葉、盤面によく入るんですよ。イもヨもよく使われる文字ですからね。でも今回の企画では、伊予の国・愛媛県しかこの言葉を使う権利がないのです。さあ困ったぞ。同様に伊勢や滋賀やインカやチリやリマも使えないんです。さあ困ったこまった。

こんな具合に微妙な困り方をしながら、日本全国クロスワードの制作進行中です。

ところで、大阪に「ナツトウ」と入れると、やっぱり怒るのかなあ大阪の人。
2002年6月1日