日本のダボスは、ラグビーのメッカ

by 雪幸彦

小学校の社会科で、「日本のチベット」という言葉を習いました。北上山地のことです。交通の不便な高地ということで名付けられたようですが、現実に行った人の話を聞くと似ても似つかないそうで、根拠のない命名のようです。

岩手県の人にもチベットの人にも「差別的」といった批判があったようで、いつのまにかこの言葉は聞かれなくなりました。この言葉を知っていると年齢がわかるようです。

これに対して、「日本のデンマーク」という言葉は現役のようです。愛知県の安城市のことで、大正時代に農業先進国デンマークのような集約的な酪農を目指したために名付けられたそうです。現在安城市には、農業を中心とした産業文化公園「デンパーク」も作られています。

このほか、大阪を「東洋のマンチェスター」とか「東洋のヴェニス」と呼んだりするように、「日本の○○」「東洋の××」という外国の地名を使った表現が、全国各地にあるようです。今回は、これを募集したいと思います。投稿をよろしくおねがいします。

ところで、それと少し違うのが、「□□のメッカ」という表現です。イスラム教の聖地メッカを、「聖地」さらには「中心地」の代名詞として使うわけです。

「日本ダボス」としてスキーヤーに知られる長野県の菅平は、夏には多くの大学が合宿を行ない「ラグビーのメッカ」と呼ばれたりします。

「メッカ」や「チベット」は別として、「日本の○○」に使われる地名は、西洋のものが多いようです。明治以来の「脱亜入欧」の伝統を体現するものでしょうが、イメージアップを狙うなら、「日本のセレンゲッテイ」とか「日本のモーリシャス」とかいうのも効果的かもしれませんね。

2002年1月14日