讃岐満腹うどん旅

by(ま)

讃岐に行ってきました。香川県というより讃岐。

だって「うどん食い旅行」だったんです。うどん食いの先達O氏に連れられて、(起)(く)私の4人旅。2泊3日(1泊は車内泊)で7軒のお店に行きました。

「小麦粉の芸術品。もはや他の麺類とはまったく別の境地と言い放つファンもいる」(香川/タテ51)

まさにこの通り。私も言い放っちゃいます。「あれは子々孫々まで伝えなくてはいけない」。

行った7軒全部がおいしくて全部が違うおいしさでした。この「全部違う」がすごい。 「歯ごたえならぬノドごたえ」
「歯を押し返す弾力(く)」
「柔らかいのにモチモチ」
「しっかりしてるのに柔らかい」
「すんなりとした力強さ」
「小麦の香りがふわあ」
「かむのももどかしくノドが要求する」…

7軒中4軒は、お店がやってくれるのは丼にうどんを入れるだけ、あとは自分でやる「セルフ」と呼ばれるタイプです。そのうち2軒はネギも自分で刻みます。昔は畑から抜いてくるのも自分でやったそうです。奇しくもこの2軒にはそれぞれ犬がいました。1軒めのクロ(勝手に命名)も2軒めのシロ(勝手に命名)も愛想がいいのを通り越したベタベタ犬で、思いっきり撫で回してきました。おっとその手でネギを刻んじゃったぜ。

シロの家のおかあさんは(名物おかあさんらしい)忙しく手足を動かしながら(途中でうどん踏みもしたのです。これは特筆すべきことだとO氏談)のーんびり讃岐弁で口も動かします。
「おねーちゃあん、うどんできたで、じぶんでふくろいれてくれるかー」
「はいよーぬくいの3たまー」
うどん食いたちの行列は長ーくなっていて、ほんとはすっごく大変なのではなかろうかと思うのですが、あくまで口調はのんびり。いいなあ。

讃岐弁ってひらがなで書きたくなる柔らかさですね。ほれました。琴電の車内放送もいい感じ。
「つぎはーこんぞうじですーこんぞうじですー」
この「ですー」が何とも言えない味です。誰でもこうなのかな?
この方だけなのかしら。

こんぴらさんにも行かず、正真正銘うどんだけを食べにいった今回の旅行ですが、讃岐富士はうどん屋さんに行く道筋で眺めました。丸っこくてかわいい富士さん。これに限らず、香川には、まるくて小さくてかわいい小山がぼこぼこあるんですね。ああ、これが島の素なのね、と納得しました。いや、瀬戸内海は島だらけとは聞いていたのですが、あんなに近くにぼこぼこあるのでびっくりしたところだったのです。もう少し島と島の間が離れてると思ってました。

最後には水も飲みこめない程(恐ろしい事に文字どおり飲めなかった)、からだ中うどんがつまってしまった私ですが、もういいや、とは思わないところがすごい。まさに「恐るべきさぬきうどん」です。

ああ、また行きたい。いや、必ずいくぞ、と讃岐富士に誓う私です。