1990年のニコリを振り返る

1990年に発売されたニコリ

29号 3月3日発行
30号 6月1日発行
31号 9月6日発行
32号 12月4日発行

1990年のニコリを振り返る

1990年はニコリ創刊10周年のメモリアルイヤー! ということで、号数としてもキリのいい30号は、特大号として大幅増ページでお送りしました。

しかもこの年は、私安福良直(安)、五十嵐由美(く)、西村育代(育)、鵜殿義仁(殿)の4人が入社。社員は一気に11人に増えました。

さらに、ニコリ編集・波書房発行で「京子のパズル」「パズルでもやってみるか」を刊行。創刊10周年というだけでなく、会社が大きくなったという意味でも、激動の一年でした。

29号では、パズル界の大御所による連載が2つ始まりました。まず、西山輝夫氏の「ふらりパズル探訪」がスタート。これはパズルに関係のある本や催し物、玩具などを毎号紹介するもので、最新のパズル情報が一目でわかる読み物です。これは現在の「ニコリ・トピックス」につながっています。

もう1つは、「古典パズルを探る」。いろいろな古典パズルについて、その大家と呼べる人が数号にわたって解説するコーナーです。1回目は、阿部楽方氏による方陣の紹介でした。

「古典パズルを探る」が始まったことにともない、マンガで古典パズルを紹介するページがなくなり、それまで文章中心だった「Puzzle Eye」を、マンガでお送りするようになりました。

この年最初の号ということで、読者のハガキを紹介する「NIKOLI LAND」では、パズル年賀状を一挙紹介しています。

パズルページでは、ひとりにしてくれが「オモロパズルのできるまで」でデビュー。一方、スリザーリンクは、オモロパズルのコーナーの下欄に載るようになりました。

そして、創刊10周年記念特大号となる30号を迎えます。本文は120ページに拡大し、さらにニコリ本誌では初となるとじこみ2枚つき。当然ながらこの号だけは特別定価となり、いつもより100円アップの税込み600円でした。

とじこみは、浮き出しメイロ、推理パズル「ニコリ・ステークス」、カックロ・ザ・スーパージャイアント、同じの探し・ザ・ジャイアントの、ジャイアントパズル豪華4本立て。

また、通常の懸賞パズルの他に、「プレゼント・パズル」を6題も出題。ニコリグッズ大盤振る舞いとなりました。

いつものパズルページもスペシャルバージョン。初心者向けのやさしいパズルが揃っているページ「初めまして」では、拡大版でパズルの解き方をいつもより詳しく解説しました。

そして、スリザーリンクがこの号から定番パズルに。15×15マスの大きな盤面も登場しました。

ニコゴリ氏の「遺伝子の驚異」もこの号が初登場。ありえないかけあわせでできた生物のグロテスクさが評判となり、以降たびたび本誌に登場します。

読み物ページでは、まず3本の特別企画をお送りしました。その1は「作り手に聞く」。パズル作者を対象にアンケートをとり、その結果を発表。その2は「私たちも挑戦したのだった」。スタッフがポチコンなどのコンテストに挑戦し、結果発表。この企画は好評で、その後も何度か行われます。その3は「10周年記念座談会」。スタッフの爆笑トーク炸裂でした。

さらに、10周年企画の一環として、7月29日に代々木公園で「パズル・ラリー」も開催しました。これは、公園内でパズルを解いてタイムや点数を競うライブイベントで、読者ならだれでも参加可能。30号では、その予告を掲載しました。

ニコリのオリジナルゲーム「ニコリダービー」も、この号で初めて開催されました。

短期集中連載「サイコロを主役にしよう」もスタート。サイコロを使う新ゲームを、読者から募集しています。

この号からスタッフが4人増え、そのうち編集スタッフの(安)(く)(育)は編集後記にも登場、それぞれ60字ずつが与えられたのでした。

31号では、前号応募の「ニコリダービー」の結果発表があり、栄えある第1回の優勝は60枠リセットポンポン号。代々木公園で行われた「パズル・ラリー」の結果も発表されています。

読み物ページでは、言葉の変換の妙を味わう「しょーなぞ(しょーもないなぞなぞ)」のとなりに、変換の少なさで勝負するなぞなぞ「どしょなぞ(どうしょーもないなぞなぞ)」がスタート。監修は金子れいな氏でした。

ちなみに、31号に載っているものを例に挙げると、しょーなぞは「Q:魚さえもが感動してしまう小説は? A:サバでもガーン!!(赤毛のアン)」。どしょなぞは「Q:輪島を挑発している駅は? A:ヘイ、輪島(平和島)」。

ようやく通常モードに戻った感のある32号では、「オモロパズルのできるまで」で生まれたパズルたちが順調な成長ぶりを見せます。スリザーリンクは懸賞パズルにも登場し、オモロパズルの下欄に出世していた四角に切れ、ひとりにしてくれも好調で、これに、前号で生まれた橋をかけろも加わるかという勢いを見せていました。

読み物ページでは、3回で終わる予定だった「サイコロを主役にしよう」が盛り上がり、連載延長が決定しました。